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    尼崎で建設業許可を申請|必要書類と手続きのポイントを解説!

    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    医療機器メーカーで開発の傍ら薬事申請や業許可の管理に従事しました。

    前職では、許可の管理にかかる手間やストレスを強く感じていました。社会の基盤を支える建設業の皆様には書類作成のような雑務ではなく、工事に力を注いでほしいと考えています。本業に集中できるように当事務所にお手伝いをさせてください。

    尼崎の建設業の事業者の方が建設業許可を申請するにはどうすればいいのかをまとめました。西宮、芦屋は尼崎と同じ規定が適用されますので当てはまる方は参考にしてください。

    この記事では、兵庫県内にのみ営業所を構える知事許可の一般建設業での申請方法を記載します。参考にして頂ければ幸いです。

    目次

    建設業許可が必要なとき

    はじめに、建設業許可の取得が必要な人はどんな人かを説明します。

    • 建築一式工事以外の場合は500万円以上の工事を請けるとき
    • 建築一式工事の場合は請負代金の額が1,500万円以上(税込)または延床面積が150m2以上の木造住宅の工事(請負代金の額を問わない)を請けるとき

    法令上はこれ以外の工事には、許可は不要です。

    法令上は必須でなくても、元請業者から許可取得を求められるケースが増えています。それは建設業許可は経営力や技術力、企業の誠実性が評価の対象であるためです。許可がある = 一定のレベル以上の業者 とみなされ、発注者や元請業者から工事の依頼先として優先される傾向が高まっています。

    おそらく許可の取得は実質的に必須の要件となるでしょう。

    大臣許可と知事許可

    冒頭で少し触れた許可の種類の一つに国土交通大臣許可と知事許可があります。この記事は知事許可のケースを説明します。

    大臣許可は2つ以上の都道府県に営業所を置く場合に必要

    知事許可は1つの都道府県内にのみ営業所を置く場合に必要

    一般建設業と特定建設業

    こちらも冒頭で少し触れました。許可の種類のひとつである、一般建設業と特定建設業について説明します。

    元請人が下請け施工させる場合の下請け契約の総額※1元請け人が提供する材料等の価格を除いた額によって、一般建設業と特定建設業に区分されます。
    (発注者から直接請け負う1件の契約工事について元請人が下請け施工させる場合)

    特定建設業

    一次下請に発注する下請け総額が4,500万円以上(建築一式工事の場合は7,000万円以上)

    一般建設業

    特定建設業に該当しない場合は、一般建設業を取得していれば問題ありません。

    ここまでの内容の詳細を以下で解説しています。あわせてご覧ください。

    6つの許可要件

    1.  経営業務の管理体制
    2.  専任技術者
    3.  財産的基礎
    4.  欠格要件等
    5.  誠実性
    6.  適切な社会保険への加入

    以上6つの要件を満たすことを証明する書類を作成して提出します。

    許可申請に必要な書類

    前述した要件を満たすことを証明するために多くの書類を提出しなければいけません。大きく分けると下記のように3種類の書類に分類することができます。

    1. 申請様式
    2. 証明書
    3. 確認資料

    1. 申請様式:フォーマット

    行政庁が作成した全国統一の書式、いわゆるフォーマットです。法人の場合や個人事業主の場合は後で解説する経管や専技の条件に応じて下表の中から自社に必要な書類を選択し、それぞれ作成していきます。

    申請書類の様式はこちらからダウンロードできます。
     ダウンロード

    スクロールできます
    様式番号様式名
    第1号
     別紙1
     別紙2(1)
     別紙3
     別紙4
    建設業許可申請書
     役員の一覧表
     営業所一覧表
     収入印紙、証紙、登録免許税領収書又は許可手数料領収書はり付け欄
     専任技術者一覧表
    第2号工事経歴書
    第3号直前3年の各事業年度における工事施工金額
    第5号使用人数
    第6号誓約書
    第7号
     別紙
    常勤役員等証明書
     常勤役員等の略歴書
    第7号の2
     別紙1
     別紙2
    常勤役員等を直接補佐する者の証明書
     常勤役員等の略歴書
     常勤役員等を直接補佐する者の略歴書
    第7号の3健康保険等の加入状況
    第8号専任技術者証明書
    第9号実務経験証明書
    第11号建設業法施工令第3条に規定する使用人の一覧表
    第12号許可申請者の住所、生年月日等に関する調書
    第13号建設業法施工令第3条に規定する使用人の住所、生年月日に関する調書
    第14号株主調書
    第15号貸借対照表(法人用)
    第16号損益計算書・完成工事原価報告書(法人用)
    第17号株主資本等変動計算書
    第17号の2注記表(法人用)
    第17号の3附属明細表(法人用)
    第18号貸借対照表(個人用)
    第19号損益計算書(個人用)
    第20号営業の沿革
    第20号の2所属建設業者団体
    第20号の3主要取引先金融機関名

    2. 証明書:公的機関が発行する証明書

    登記されていないことの証明書、身分(身元)証明書、履歴事項全部証明書など、公的機関から取得する書類です。有効期限(取得してから3ヶ月以内など)が定められているものがあるので、申請時期に合わせて計画的に取得する必要があります。

    3. 確認資料:申請書の裏付け資料

    経営業務の管理責任者専任技術者の実務経験などを客観的に証明するための書類です。建設業の許可証、決算変更届、建設工事の請負契約書、注文書などが該当します。

    管理者の実務経験等は書類で示す必要があります。この書類集めが許可申請の最も大きな山です。

    ここからは、許可要件を証明するための具体的な方法を解説していきます。

    経営業務の管理体制の証明

    常勤役員等が定められた期間、建設業の経営業務に関わったことがあることを証明していきます。

    1.  経験年数の証明
    2.  建設業を営んでいたことの証明
    3.  常勤性

    経営業務の管理体制についてはこちらで解説しています。

    1.経験年数の証明

    • 法人の取締役・・・履歴事項全部証明書、(閉鎖事項全部証明書)
               (法務局で取得可能)
    • 個人事業主 ・・・確定申告書(必要年数分)
    • 執行役員等 ・・・取締役会議事録、辞令、組織図など

    法人の場合は、履歴事項全部証明書で証明します。

    個人事業主は、確定申告書で証明します。

    最後の項目の執行役員の制度が当てはまるのは規模の大きな会社だけです。一人親方や中小企業の場合は上の2項目を揃えてください。

    2.建設業を営んでいたことの証明

    •  許可業者 ・・・建設業許可証、決算変更届など
    •  無許可業者・・・請負契約書、注文書、請求書など

    許可業者は建設業許可証や決算変更届を示します。

    無許可業者は請負契約書、注文書を必要年数分(例えば、5年以上分)集める必要があります。書類の保管状況も確認しておくことが必要です。

    3.常勤性の証明

    適正な経営のためには日常的な業務の執行が求められます。在籍するだけで全く社内の管理をしなかったらダメですよね。この理由から常勤が求められています。

    • 健康保険証
    • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書
    • 住民税特別徴収義務者指定及び税額通知書
    • 住民票

    これらが常勤性を証明する主な書類です。

    出向社員は出向契約書、出向協定書、出向者名の確認できる出向辞令、出向者の賃金の負担関係を示すもの、出向元の健康保険被保険者証等が確認資料として必要です。

    専任技術者

    適正な契約をするには工事に関して専門的な知識を持つ人が各営業所にいることが求められています。専任技術者となる人が専門の技術を持つことと、各営業所にいるという専任性を証明します。

    1. 専門の技術を持つこと
    2. 専任性

    1. 技術者としての証明

    • 資格を示す資料・・・合格証、免許証など
    • 実務経験を示す資料・・・建設業許可証、請負契約書、注文書、請求書など
    • 指定学科の卒業を示す資料・・・卒業証明書、履修科目証明書など

    専任技術者となる人が国家資格をお持ちであれば最もスムーズに進められます。まずは社内に国家資格を持つ人がいるかどうかを確認してみてください。

    有資格者がいないときは実務経験で証明していきます。工事の施工記録として、請負契約書や請求書などを用います。最大で10年以上の必要な年数分の書類を集めなければいけません。

    以下では専任技術者の要件について詳しく解説しています。

    2.専任性

    経営業務の管理体制における常勤性とほぼ同じです。

    • 健康保険証
    • 健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書
    • 住民税特別徴収義務者指定及び税額通知書
    • 住民票

    などが主な書類です。


    経営業務の適正な管理体制と専任技術者をクリアできれば、要件をほぼ満足したといっても過言ではありません。

    残りの項目も確認していきます。

    財産的基礎

    請負契約を履行することができる財産的基礎または金銭的な信用が要件とされています。財産的基礎の要件を満たすための書類を確認していきましょう。

    自己資本の額が500万円以上

    直近の決算書を用いて証明します。

    直近の決算書の純資産合計の額が500万円以上あればOKです。

    「自己資本の額が500万円以上」とは、資本金が500万円以上のこと?

    自己資本の額とは、「資本金」ではなく直近の決算書の純資産の合計が500万円以上ということです。

    500万円以能力

    自己資本の額が500万円に満たないときは、取引金融機関からの残高証明書により証明します。

    残高証明書を取得した時点で500万円以上の金額が記載されていればOKです。複数の金融機関を利用している場合、同じ日付けの残高証明書の合計額が500万円以上でOKとするところもあります。詳細は申請の窓口で確認してください。

    残高証明書は有効期限が1ヶ月と短いため、申請時の期限切れを避けるためにタイミングを合わせて取得しましょう。

    営業所

    営業所には、建設業を営むための最低限の設備が備えられているか、使用権限があるかを示す資料を提出します。

    • 営業所の写真
    • 不動産登記簿謄本
    • 家屋の賃貸借契約書

    などを提出します。

    社会保険の加入

    雇用保険、健康保険、厚生年金保険等に適切に加入していることが要件とされています。
    これには若者の業界参入を促進することが背景にあると言われています。

    以下のような資料を提出します。

    • 健康保険・厚生年金保険資格取得確認及び標準報酬決定通知書 コピー
    • 健康保険及び厚生年金保険の保険料の納入に係る「領収証書」 コピー
    • 健康保険・厚生年金保険の被保険者資格取得届(年金事務所へ届出済のもの) コピー
    • 労働保険概算・確定保険料申告書及び保険料納入の「領収証書」 コピー

    その他の書類

    • 定款
    • 登記事項証明書
    • 都道府県事業税の納税証明書

    これらの資料を必要に応じて提出します。

    どこに申請する?

    書類が容易できたらいよいよ申請です。尼崎市の事業者は下記に申請します。

    スクロールできます
    管轄地区審査担当課所在地電話番号
    尼崎市、西宮市、芦屋市阪神南県民センター
    西宮土木事務所 建設業課
    〒662-0854
    西宮市櫨塚町2-28
    0798-39-1543/1545
    0798-23-7790

    まとめ

    今回は尼崎市の建設業者の方が、建設業許可を申請する場合の申請先や必要な書類について解説しました。弊所は尼崎で活動する事務所ですので、尼崎の事業者の皆様をサポートする機会が多いと思います。

    許可申請において疑問点がありましたらお気軽にお問合せください。

    目次