建設キャリアアップシステム(CCUS)の基本と導入の流れを解説

    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    前職では医療機器メーカーで開発の傍ら薬事申請や許可の管理に従事していました。
    安全管理と品質管理が重要視される医療機器メーカーでの経験は、建設業者をサポートする上でも活かせると確信しています

    この記事は、建設キャリアアップシステムの登録を検討している建設業者の方に向けて解説しています。

    建設キャリアアップシステムは2019年に始まった、まだまだ歴史が浅い制度です。この記事では建設キャリアアップシステムの狙いや制度の概要について記載しています。

    導入前の予備知識として参考にして下さい。

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    目次

    建設キャリアアップシステム(CCUS)とは

    人手不足と高齢化が進む建設業では、若者の定着が喫緊の課題です。

    拘束時間の長さと給与水準の低さが、若者の定着を拒む要因の一つとされています。就業率を上げるには、能力や実績が正しく評価される業界に変わることが必要です。

    建設キャリアアップシステムを導入することで、就労管理や適切な施工経験の積み上げが可能になり、キャリア形成がしやすくなります。これにより、若者に対して「建設業は努力すれば稼げるようになる」とアピールできます。

    CCUSの狙い
    • 適正な就労管理(長時間労働・サービス残業の是正、社会保険加入の徹底)
       → 業界の健全さや時間当たりの効率を重視する若者にアピール
    • 人材の育成の意識を企業に根付かせる
       → 若者がキャリア形成しやすく将来計画を立てやすくなる
    • 能力や実績に基づく適正な評価による処遇の改善
       → 努力が評価に結びつくことで、やりがいを高める

    建設キャリアアップシステムは、CCUSとも呼ばれています。
    CCUSは Construction Career Up System の頭文字を取って並べたものです。

    建設キャリアアップシステムの利用者は徐々に増加している

    建設キャリアアップシステムの運用状況について 2024年11月11日(建設キャリアアップシステム事業本部)より引用

    約2万人の技能者がひと月ごとに登録し、2019年からの累計で技能者登録数は150万人を超えました。

    国は全ての技能者が建設キャリアアップシステムに登録することを目指すことを掲げています。

    経営事項審査の加点項目にも加えられるなど、建設キャリアアップシステムの重要性が高まっています。今後はさらに普及していくことでしょう。

    建設キャリアアップシステムの手続きの流れ

    建設キャリアアップシステムの登録から利用までの流れを以下に示します。

    STEP
    登録申請

    事業者(会社)の登録を行い、その後に技能者(社員)の登録をします。技能者の登録が済むとカードが送られてきます。その後、事業者と技能者をシステム上で紐付けします。

    主な登録情報

    • 商号、所在地、業種など
    • 保有資格、社会保険加入状況など
    STEP
    現場の登録、施工体制の登録

    現場、工事内容などの工事の概要、契約情報を元請が登録。

    工事に入る技能者情報(氏名、職種、職長や班長などの立場)を下請が登録

    誰(勤め先、保有資格など)がどの期間工事に入るかを事前に決めます。

    STEP
    就業履歴の蓄積

    工事現場にカードリーダーなどの端末が設置され、技能者はカードタッチして就業実績を蓄積します。蓄積された就業履歴、保有資格、職長・班長の経験年数に応じて技能者のレベルが上がっていきます。

    この情報はシステム上に残ります。積み重ねた経験が明確になり能力や経験に見合った評価と処遇が受けられることが期待されます。

    ※ レベルは1から始まり最大で4

    建設キャリアアップシステム導入のメリット

    建設キャリアアップシステムの技能者のメリット

    建設業界は自身のキャリアを客観的に示す方法がありませんでした。なので、高い技能や経験があっても、上長のさじ加減で評価が決まることが多いのではないでしょうか。

    建設キャリアアップシステムは工事の履歴や保有資格、マネジメント経験を見える化します。プロ野球選手が打率や打点、防御率などの実績に基づいて評価されるように、技能者が能力や経験、パフォーマンスに応じて評価される状態を目指しています。

    国土交通省が技能者のレベルに応じた職種ごとの賃金の目安を公開しています。以下はその一例です。

    呼称賃金目安
    レベル4レベル3レベル2
    内装仕上技能者554~867 万円486~811 万円438~720 万円
    基礎ぐい工事技能者509~849 万円425~775 万円408~678 万円
    建設キャリアアップシステム(CCUS)におけるレベル別年収の公表(令和5年6月16日 不動産・建設経済局 建設市場整備課)

    レベル別年収は、公共事業労務費調査において把握された技能者の実態を踏まえて、各技能者の経験や資格が評価された場合に相当するレベルに応じて、公共工事設計労務単価の算定と同等に必要な費用を反映した上で、年収額(週休2日を確保した労働日数:234日)を試算したもの。
    建設キャリアアップシステム(CCUS)におけるレベル別年収の公表(令和5年6月16日 不動産・建設経済局 建設市場整備課)

    制度の定着には時間がかかると思われます。今後この制度が基準となれば、技能者のキャリアを適切に評価する会社に優秀な人材が集まるようになるでしょう。

    建設キャリアアップシステムを利用する事業者のメリット

    ここまでは主に技能者に関する情報を述べてきました。事業者が建設キャリアアップシステムを利用すると以下のような利点が考えられます。

    • 技能者の保有資格や社会保険などの情報管理の効率化
      データがデジタル処理されるため、元請業者は効率的なデータ管理ができるようになります。
    • 事業者の施工能力の見える化
      施工能力の見える化により、優秀な人材が社内にいると会社の施工能力が高く評価されます。
       → 元請と価格以外で交渉できるカードができる

    建設キャリアアップシステムの登録は行政書士へ

    建設キャリアアップシステムの登録は、必要な資料の収集やデータの変換、そして独特な登録作業まで多大な手間を要します。

    煩雑な作業に、大切な本業の時間を割くのはもったいないと考えています。

    建設業の皆様には、ぜひ本業の工事に全力を注いでいただきたい。そのために、当事務所では登録代行を承っています。

    貴社の事業がスムーズに進むよう、ぜひ私たち専門家にご相談ください。

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    まとめ

    今回は建設キャリアアップシステム(CCUS)の狙いや大まかな制度について説明しました。

    建設産業をキャリア形成がしやすい業界にして、若者を定着させることが喫緊の課題とされています。国交相は建設キャリアアップシステムを対策の柱として強く推し進めています。今後は普及の流れが強くなっていくでしょう。

    登録には自身で行う方法と代行する方法があります。行政書士も代行者として公に認められています。自身で手続きする時間がないという方は近隣の行政書士への相談をご検討ください。

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