工事請負契約書とは|適正な契約を結んでトラブルを防ぎましょう
安定した経営のために請負契約を結びましょう
建設業の商慣習として注文書と請書だけのやり取りで工事を始めたり、口約束だけで受発注を行ったりすることが多いと思います。
十分な信頼関係が築けていれば問題ないのかもしれませんが、言った言わないのトラブルや急な値下げ要請を受けた経験をお持ちの方がいると思います。私がお手伝いした建設業の方は、元請業者から減額や材料・機材を負担することを要求されていました。そしてやはり昔ながらの口約束で仕事を請けているようでした。
このような問題は工事以外に時間が割かれる、十分な収益が得られないことに繋がり、安定な事業運営の妨げとなります。賃金の低さや労働時間の長さから建設業への若者の入職が激減し、社会的な問題となっています。安定して事業を継続できる業界にすることが、今後の建設業の発展に欠かせないでしょう。
トラブル防止のために請負契約を結びましょう
工事請負契約にはトラブルを未然に防ぐ狙いがあります。
契約は工事を始める前に請負金額や工期、材料・機材の負担などの条件を十分に協議したのちに取り決めます。契約内容の変更が必要なときは協議して再度取り決めなければいけません。協議なしに元請業者が一方的に条件を決めるのは違法の可能性があります。
下請業者としては根拠をもって工事にかかる費用を説明できる準備を整えておくことも重要でしょう。
まとめ
建設業界は技能者の高齢化と若手の入職者の激減という深刻な問題に直面しています。この状況を打開するには、しっかりと稼げる魅力的な業界に変えていく必要があります。元請業者は施主から十分な資金を引っ張ってくる交渉力を、下請業者は施工能力とともに元請業者からの不当な値下げを安易に受けない交渉力を高めていくことが大事でしょう。
工事請負契約は適切に活用できれば上記のような問題に対して大きな影響を与えられるでしょう。しかしながら現状を変えていくためには、元請業者と下請業者ともが持ちつ持たれつの良好な関係を築き、工事を進めていく必要があると言えます。