建設業の廃業届について|廃業後の注意事項とは
廃業届と聞くと、会社をたたんでしまう時のことだから関係ないと思われる方もいらっしゃると思います。
確かに「廃業」と聞くとそのように考えてしまいますよね。建設業の廃業には全部廃業と一部廃業というものがあり、適切に届出を出さないと罰則を受けることもあります。
内容を正しく把握し、適切に処理できるようにしていきましょう。
「廃業」の種類
冒頭でも記載しましたとおり、建設業の廃業には「一部廃業」と「全部廃業」があります。それぞれ必要な時や手続きが異なりますので確認していきましょう。
一部廃業
建設工事の複数の業種の許可を受けていた会社が、一部の業種について必要がなくなった或いは専任技術者の退職などで業種を維持できなくなったような場合が該当します。
書類 | 様式 |
---|---|
変更届出書 | 22号の2 |
廃業届 | 22号の4 |
専任技術者一覧表 (一部廃業によって専任技術者を削除した場合) | 1号別紙4 |
届出書 | 22号の3 |
これらの書類を、個人事業主又は法人の役員が届出ます(行政書士などの代行業者に依頼することも可能)。届出の際には、届出者本人であることを証する書類(運転免許証、健康保険証など)が必要です。
全部廃業
全部廃業は、現在受けている建設業許可を全てやめる場合、つまり文字どおり廃業の場合です。これには廃業届(様式22号の4)を提出します。
廃業する事由によって届け出る者が異なりますので確認しておきましょう。
届出事由 | 届出者 | 確認書類 |
---|---|---|
個人事業主が死亡 | 相続人 | 戸籍謄本 |
法人が合併により消滅 | 解散時に役員であった者 | 解散時の商業登記簿謄本 |
法人が破産手続開始決定により解散 | 破産管財人 | 破産管財人であることが確認できる商業登記簿謄本 又は裁判所の命令書、破産管財人の印鑑証明書 |
法人が合併又は破産以外の事由により解散 | 清算人(代理清算人) | 商業登記簿謄本 |
廃業届の期限は?
上記の事項に該当することになった場合は、30日以内に廃業届を提出しなければいけません。廃業届を怠った場合には罰則(10万円以下の過料)が適用されますので注意が必要です。
廃業届が出されないと、、、
会社をたたんだ後に廃業届が出されないと、行政の認識としては許可取得が維持されたままです。その会社に在籍していた経管や専任技術者は、廃業して存在しない会社に常勤していることになります。もしこの経管や専任技術者が独立或いは転職して新たに経管や専任技術者になろうとする場合に、このことにより新しい会社での経管や専任技術者への就任を妨げてしまいます。廃業した際は自身のためだけではなく後進のためにも適切に廃業手続きを済ませましょう。
まとめ
今回は、廃業届について解説しました。
廃業には業種の一部をやめる一部廃業と、すべての業種をやめる全部廃業があります。いずれも決められた期限内に適切な処理を行い、罰則や後進の妨げとならないようにしましょう。
廃業は建設業許可において頻繁に行うものではないので、つい忘れてしまいがちになるかと思います。相談しやすい行政書士がいれば、いざという時にサポートしてくれますのでお近くの行政書士にご連絡してみてはいかがでしょうか。