廃業届の必要書類と提出するときを解説|会社をたたむ時だけじゃない

    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    医療機器メーカーで開発の傍ら薬事申請や業許可の管理に従事しました。

    前職では、許可の管理にかかる手間やストレスを強く感じていました。社会の基盤を支える建設業の皆様には書類作成のような雑務ではなく、工事に力を注いでほしいと考えています。本業に集中できるように当事務所にお手伝いをさせてください。

    廃業届を提出するのは会社をたたむときだけと思うかもしれません。建設業の廃業には全部廃業と一部廃業があります。建設業を完全にやめるときに提出するのが全部廃業で、それ以外の理由で提出するのが一部廃業届です。

    廃業届を提出しないと罰則を受けることもあるので忘れずに手続きしてください。

    今回は一部廃業と全部廃業の違いや必要書類、届出期限について解説します。

    目次

    廃業の種類、一部廃業と全部廃業

    冒頭で説明したとおり建設業の廃業には「一部廃業」と「全部廃業」があります。必要なときと手続きが異なります。それぞれ確認していきましょう。

    一部廃業

    複数の業種の許可を受けている会社が、一部の業種について必要がなくなったとき。或いは専任技術者の退職などで複数ある業種を維持できなくなったときは一部廃業届をします。

    スクロールできます
    書類様式
    変更届出書22号の2
    廃業届22号の4
    専任技術者一覧表
    (一部廃業によって専任技術者を削除した場合)
    1号別紙4
    届出書22号の3
    ※提出する書類は、提出先(都道府県など)により異なる場合があるので事前の確認が必要

    個人事業主又は法人の役員が書類を提出します。運転免許証、健康保険証などの本人確認書類が必要です。

    全部廃業

    現在受けている建設業許可を全てやめるときに全部廃業届を提出します。

    届け出る者を確認してください。

    スクロールできます
    届出事由届出者確認書類
    個人事業主が死亡相続人戸籍謄本
    法人が合併により消滅解散時に役員であった者解散時の商業登記簿謄本
    法人が破産手続開始決定により解散破産管財人破産管財人であることが確認できる商業登記簿謄本
    又は裁判所の命令書、破産管財人の印鑑証明書
    法人が合併又は破産以外の事由により解散清算人(代理清算人)商業登記簿謄本

    廃業届の期限

    廃業届は30日以内に提出しなければいけません。廃業届を忘れたときは10万円以下の過料の対象になるので注意が必要です。

    廃業届が出されないと、、、

    会社をたたんだ後に廃業届が出されないと、行政は許可が維持されていると認識します。その会社に在籍していた経管や専任技術者は行政の書類の上では、存在しない会社に常勤していることになります。

    新たな会社で経管や専任技術者になるときに、別の会社で常勤している記録が残ったままです。そのため申請時に許可要件の常勤性が疑われてしまいます。

    廃業した際は自身のためだけではなく後進のためにも適切に手続きしてください。

    まとめ

    今回は廃業届について解説しました。

    • 一部廃業と全部廃業がある
    • 届出を忘れると罰則の対象

    廃業は頻繁に行わないので忘れがちになると思います。お近くの行政書士に相談しておくと適切に対応してくれると思いますのでご一考ください。

    目次