一人親方の建設業の請求書、何を書けばいい?|記載例付き【兵庫県】

    工事請求書の書き方を解説した記事のアイキャッチ
    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    前職では医療機器メーカーでの法令遵守業務を経験し、退職後は建設業専門の行政書士事務所で実務経験を積みました。これらの経験を活かし建設業者をサポートします。

    新規で建設業許可を取りたいというご相談を受けたとき、書類が足りなくて断念する場面に多々遭遇します。
    そのなかでも圧倒的に多いのが請求書に関する問題です。「請求書が足りない」「内容に不備があり、申請書類として使えない」などが理由となっています。

    詳細は以降で説明しますが、何の工事について、誰に、いくら請求するのかが分かるようにしておくことが大切です。

    この記事では、一人親方が建設業の請求書を作るときに記載しておきたい項目と、作成後に気を付けたいことを解説します。

    目次

    建設業の請求書に決まった様式はある?

    「この様式でなければならない」という全国共通の書式はありません。パソコンで作成しても、市販のテンプレートを使っても構いません。

    大切なのは、請求書を見たときに次の5点が分かることです。

    • 誰が
    • 誰に
    • いつ
    • どの工事について
    • いくら請求するのか

    記載しておきたい項目

    スクロールできます
    項目内容
    請求日請求書を発行した日
    請求先工事を依頼した会社などの名称
    請求する側の情報氏名・屋号・住所・電話番号(法人は会社名・所在地)
    工事名・工事内容例:「○○邸新築工事に伴うクロス張替工事」など具体的に
    工期例:令和8年5月1日~令和8年5月20日
    数量・単位・金額「1式」「○㎡」など内容に応じて
    消費税課税事業者の状況に応じて記載。
    適格請求書を交付する場合は、登録番号・取引年月日・取引内容・税率ごとの金額と適用税率・消費税額等・相手方の名称など、国税庁が定める記載事項が必要
    支払期限例:「○月末日」
    振込先銀行名・支店名・口座種別・口座番号・口座名義

    特に「工事名・工事内容」は建設業の請求書で意識したいポイントです。単に「工事代金 一式」とするより、後から見返したときに取引内容を確認しやすくなります。

    記載例

    申請書類に使いやすい工事請求書のサンプル

    上記は「○○邸新築に伴うクロス張替工事」について、工事内容・工期・請求金額・振込先・支払期限などを記載した例です。実際に必要な記載内容は、取引内容やインボイス登録の有無によって異なりますが参考にしてくださると幸いです。

    重要なのは、ひと目見て「何の工事をしたか」がわかることです。

    「工事一式」だけにしない方がいい理由

    小規模な工事では

    工事代金 一式 300,000円

    のように書くこともあると思います。しかし後から見返して「この30万円は何の工事だった?」となると困ります。
    建設業許可の申請では使えない書類と判断されてしまいます。

    • 内装工事 250,000円
    • 材料費 50,000円

    のように、可能な範囲で内訳を分けて記載しておくと安心です。
    発注者との認識違いを防ぐうえでも役立ちます。

    請求書を作ったら、控えを残しておく

    請求書は渡して終わりではありません。インボイス発行事業者には、交付した適格請求書等の写しを保存する義務があり、国税庁はその保存期間を原則7年間としています。税務上の保存ルールは事業の状況によって異なるため、税理士などにも確認しておきましょう。

    建設業許可の取得を目指す方|請求書だけでなく、注文書なども残しておく

    これから建設業を続けていく方にぜひ知っておいてほしいことです。次のような資料も、できるだけ整理して保管しておきましょう。

    • 見積書
    • 注文書・請書・契約書
    • 請求書
    • 入金記録
    • 工事の記録
    • 確定申告関係の資料

    将来、建設業許可を取得しようとしたとき、過去の工事内容を客観的な資料で確認することがあるためです。兵庫県でも、許可を受けていない期間の経営業務の経験を確認する資料として「工事請負契約書、請求書等」を、営業所技術者等の実務経験を確認する資料として工事請負契約書・注文書・請求書などを例示しています。

    取得する業種の工事をしていたという証拠を用意できるかどうかが勝負です。

    「昔の請求書を今から作ればいい」はおすすめできません

    建設業許可の申請に必要な書類を集めている時、過去の資料が残っていないからといって、後から請求書を作成すればよいと考える方もおられるかもしれません。。

    資料が不足している場合は、自己判断せず、行政書士や許可行政庁にどのような資料で確認できるか相談することをおすすめします。もしどうしても揃わないときは、その状況を受け入れるしかない場合もあります。

    捏造などをして無理に申請すると、「虚偽の申請」として処分を受け、その後5年間許可を取れなくなる恐れがあります。

    建設業許可取得を目指す方は普段から書類の整理を

    「まだ建設業許可なんて考えていない」という方も多いと思います。すべての一人親方が許可を取得するわけではありません。ただし、

    • 将来は許可を取りたい
    • もっと大きな工事を請けたい
    • 法人化も考えている

    という方は、今のうちから工事関係の書類を残しておくことをおすすめします。

    工事を受注したら、注文書・請書・契約書 → 工事の記録 → 請求書 → 入金記録

    という流れで一連の資料をまとめておくと、後から確認しやすくなります。

    この習慣を、建設業を始めたときから身につけておくことをおすすめします。

    建設業の請求書や許可について、お困りではありませんか?

    「請求書の作り方はこれで大丈夫?」

    「一人親方として、どんな書類を残しておけばいい?」

    「将来、建設業許可を取りたいけれど、今から何を準備すればいい?」

    このようなご相談があれば、早めに確認しておくことで後で困ることを減らせる場合があります。特に建設業許可では、これまでの経験や事業の状況によって確認する資料が変わります。

    「まだ許可を取る予定はないけれど、将来のために準備しておきたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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