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    決算変更届(決算報告)に必要な書類と提出時期を解説

    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    医療機器メーカーで開発の傍ら薬事申請や業許可の管理に従事しました。

    前職では、許可の管理にかかる手間やストレスを強く感じていました。社会の基盤を支える建設業の皆様には書類作成のような雑務ではなく、工事に力を注いでほしいと考えています。本業に集中できるように当事務所にお手伝いをさせてください。

    許可業者の義務である決算変更届ではどんなことを報告するのか、それにはどんな資料が必要でいつまでに提出しなければならないのか。そんな疑問をお持ちの方がいらっしゃると思います。決算の付近は忙しくなるので、しっかり理解してスムーズに手続きを進めていきたいですよね。

    今回は決算変更届について解説します。

    目次

    決算変更届ってなに?

    決算変更届は許可業者が負う義務の一つです。

    建設業事業者にとっては事業の振り返りと、法令に則った体制を維持するための機会となります。

    行政にとっては管轄の事業者から工事の経歴や施工金額の推移、財政の状況などを報告してもらうことで、経営の状況、法令順守の体制などを把握できます。

    提出の時期

    事業年度が終了した後4か月以内に提出しなければいけません。

    3月末が決算の場合は7月末までに報告が必要です。書類は税務署への申告書を元に作成します。決算書は決算から2ヶ月くらいで届くので実際には余裕がないです。

    報告を忘れると許可の更新ができない恐れがあります。決算変更届を溜め込んでしまう前に、行政書士に相談しておくのが解決策になると思います。ご一考ください。

    必要な書類

    提出する書類は、法人と個人事業主で異なります。それぞれ説明していきます。

    表紙の付け方などは地域によって異なります。申請窓口や地元の行政書士にお聞きください。

    法人が提出する書類

    • 変更届出書
    • 工事経歴書
    • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
    • 貸借対照表
    • 損益計算書、完成工事原価報告書
    • 株主資本等変動計算書
    • 注記表
    • 附属明細表
      資本金が1億円を超えるまたは直前決算の貸借対照表の負債の合計が200億円以上である株式会社のみ必要
    • 事業報告書
      株式会社のみ提出
    • 法人事業税の納税証明書(発行後3ヶ月以内の原本)
      大臣許可:国税の事業税納税証明書
      知事許可:都道府県の事業税納税証明書

    変更があった場合に提出する書類

    • 使用人数
    • 建設業法令3条に規定する使用人の一覧表
    • 定款の写し
    • 健康保険等の加入状況従業員のみの変更があった場合に提出
      注:社会保険、雇用保険の加入状況に変更があった場合は、社会保険の変更届が必要

    個人事業主が提出する書類

    • 変更届出書
    • 工事経歴書
    • 直前3年の各事業年度における工事施工金額
    • 貸借対照表
    • 損益計算書
    • 個人事業税の納税証明書(発行後3ヶ月以内の原本)

    変更があった場合に提出する書類

    • 使用人数
    • 建設業法令3条に規定する使用人の一覧表
    • 健康保険等の加入状況従業員のみの変更があった場合に提出
      注:社会保険、雇用保険の加入状況に変更があった場合は、社会保険の変更届が必要

    添付資料の工事経歴書は作成が難しいのでこちらで詳しく解説しています。

    決算変更届をの提出を忘れたときの影響

    許可申請書等(決算変更届も含まれる)は誰でも閲覧できる状態に置かれます(兵庫県 建設業許可閲覧)。

    決算変更届には工事経歴過去の施工金額などの情報が含まれているため、企業の施工能力や実績が反映されます。発注者や元請業者は、下請け先の選定時に決算変更届を参考にすることもあります。

    決算変更届が全く提出されていない場合は施工能力や工事の実績がわからず、候補から外れることは容易に想像できます。

    決算変更届の提出を忘れると受注にも影響を与えるので、法的な面だけでなく経営面においても重要です。

    まとめ

    今回は許可業者の義務の一つである決算変更届(決算報告)について確認しました。

    決算変更届は毎年必要な義務です。忙しい決算の時期に発生する作業なので手を付けられない方もいらっしゃるかもしれません。許可の維持や、入札を検討されている方も重要な事項です。お近くの行政書士に相談するなどして手遅れにならない内に処理を進めていきましょう。

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