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    産業廃棄物収集運搬の許可申請に必要な要件|兵庫県の手引きを基に

    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    医療機器メーカーで開発の傍ら薬事申請や業許可の管理に従事しました。

    前職では、許可の管理にかかる手間やストレスを強く感じていました。社会の基盤を支える建設業の皆様には書類作成のような雑務ではなく、工事に力を注いでほしいと考えています。本業に集中できるように当事務所にお手伝いをさせてください。

    産業廃棄物の収集運搬業は専門的に営まれる場合や土木工事をする建設業者が必要となる場合もあります。許可を取るには何が必要か知っておきたいという人もいるかと思います。

    都道府県が手引きを用意していますが複雑でわかりにくいこともありますよね。この記事では新規許可の申請のために必要な要件を解説しています。

    一緒に確認していきましょう。

    この記事では産業廃棄物の収集運搬のうち、積替え・保管を含まない場合について解説します。

    目次

    財産に関する要件

    赤字の場合は許可が下りにくい

    財産要件を確認するための書類として3年分の貸借対照表と損益計算書を提出します。3年のうちで1度でも赤字の年があると基本的には許可を受けられません。前述したような理由による不法投棄を避けるためです。

    多くの業許可では人、物、財産に関する要件が設けられています。産業廃棄物の収集運搬業の場合は財産が特に重要視されています。資金が乏しい事業者は処理費用が必要な廃棄物処理場に産業廃棄物を持って行かずに、不法投棄をしてしまう恐れがあります。不法投棄をさせないために財産要件が厳しく確認されます。

    赤字でも要件を満たせる場合がある

    赤字の年があったとしても妥当な理由が説明できれば許可が取れることがあります。

    例えば減価償却などが原因で、見かけは赤字でも実際は黒字経営であるような場合です。このような例外には会計士や税理士、行政書士などが連携して書類を作成する必要があるでしょう。

    人に関する要件

    産業廃棄物の収集運搬に関する講習を修了していること

    申請時に講習会の修了証を提出します。講習会は近くで開催されたときにタイミングよく受けないと、必要な時に修了証を受け取れないこともあります。許可を取りたいと思ったらまずは講習会を受けてください

    物に関する要件

    営業所

    産業廃棄物収集運搬業としての使用権限があること。

    営業所が自己所有の場合は建物登記簿謄本などを提出し、賃貸物件の場合は賃貸借契約書を提出することで使用権限を証明します。

    車両

    運搬する産業廃棄物に適した車両を保有している必要があります。例えば、瓦礫を運搬するのにバキュームカーを持っていても意味がありません。適切な車両を準備してください。

    営業所と同様に車両も使用権限が必要です。社長の個人名義の車両を事業に使用する場合は、使用承諾書などを作成して会社に使用権限があることを明確にします。

    欠格要件に該当しないこと

    会社または法人の役員、個人事業主が以下の要件に該当すると許可を受けられません。

    1. 精神の機能障害により、廃棄物の処理の業務を適切に行うに当たって必要な認知、判断および意思疎通を適切に行うことができない者
    2. 破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者
    3. 禁錮以上の刑に処され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    4. 廃棄物処理法、浄化槽法、その他環境保全法令もしくはこれらの法令に基づく処分、もしくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、または刑法もくしは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金刑に処され、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
    5. 産業廃棄物処理法または浄化槽法の規定により許可を取り消され、取り消しの日から5年を経過しない者
    6. 産業廃棄物処理法または浄化槽法に基づく許可の取消処分を逃れるために廃止届書を提出し、5年を経過しない者
    7. 廃棄物処理業務に関し、不正または不誠実な行為をする恐れがあると認められる者
    8. 暴力団員または暴力団員で亡くなった日から5年を経過しない者
    9. 暴力団員等がその事業活動を支配するもの

    許可後に欠格要件に該当すると許可が取り消されます。項目4の罰金刑はスピード違反による罰金も該当します。会社を維持するために役員は細心の注意を払って行動しなければなりません。

    まとめ

    今回は産業廃棄物の収集運搬許可の要件について解説しました。

    産業廃棄物収集運搬業では事業者に不法投棄をさせないように資金力が重要視され経営状況が厳しく確認されます。赤字の場合、許可がおりるのはハードルが高いですが状況によっては何とかなる場合もあります。

    要件のなかには複雑なものもあるため、困った際は近くの行政書士にご相談ください。

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