土木一式工事とは?専任技術者の要件と工事例を兵庫県の行政書士が解説

建設業許可を取得するためには、業種を問わず必ず満たさなければならない「6つの共通要件」(経営業務管理責任者・専任技術者・欠格要件への非該当・誠実性・財産的基礎・社会保険加入)があります。
これらの共通要件の詳しい判定基準や注意点については、下記のページで詳しく解説しています。
本ページでは「土木一式工事」に特化した固有の要件(工事の範囲、必要な資格や実務経験)について詳しく解説します。
土木一式工事とはどんな工事?
土木一式工事とは、道路、河川、橋梁、下水道などの土木工作物を建設する際に、複数の専門工事を総合的に企画・指導・調整しながら完成させる工事です。元請として工事全体を管理するケースが多く、とび・土工工事や舗装工事などの専門工事を取りまとめて施工を進めます。
具体的には次のような工事が該当します。
- 道路新設工事
- 河川改修工事
- 下水道整備工事
- 宅地造成工事
建設業法上では、土木一式工事は次のように定義されています。
総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事
(昭和四十七年三月八日建設省告示第三百五十号)
土木一式工事と他業種との違い
土木一式工事と舗装工事の違い
道路工事であっても舗装工事のみを行う場合は舗装工事業に該当します。
一方で、道路の新設工事や改良工事などで、舗装工事のほか掘削工事や排水工事など複数の専門工事を取りまとめながら施工する場合は土木一式工事に該当します。
土木一式工事と、とび・土工工事の違い
とび・土工工事は、掘削・埋め戻し、盛土、くい打ちなど個別の専門工事を行う工事です。
一方、土木一式工事は、とび・土工工事や舗装工事、水道施設工事など複数の専門工事を組み合わせて道路や河川などの土木工作物を完成させる工事です。
土木一式工事と、水道施設工事の違い
水道施設工事業は上水道や工業用水道などの施設を設置する専門工事です。
一方、土木一式工事業は公道下の水道管などを水道施設工事を含む複数の専門工事を統括して施工する場合に該当します。
建設業許可の申請に必要な工事経歴書を作成するとき、契約書や請求書から読み取り、施工した工事がどの業種に該当するかを判断する必要があります。工事内容が曖昧な場合、許可申請の際に実務経験として認められない可能性があります。何の工事をしたかわかるようにできるだけ明確に記載してください。
土木工事の許可が必要になるケース
土木工事業を営む場合で、1件500万円(税込)以上の工事を請け負うときは建設業許可が必要です。
500万円未満の工事のみを請け負う場合は、建設業許可は必須ではありません。ただし、「元請から許可取得を求められた」「公共工事へ参加したい」などの理由で許可を取得する事業者も多くいます。
詳しくはこちら
→ 建設業許可が必要なケース
土木一式工事の専任技術者になるには
必要な資格
一般建設業と特定建設業の専任技術者になるための資格をいかに示します。
一般建設業
【技能検定】
- 1級建設機械施工管理技士
- 2級建設機械施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 2級土木施工管理技士(土木)
【技術士】
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリートを除く」)
- 農業「農業農村工学」・総合技術監理(農業「農業農村工学)
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
- 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
特定建設業
【技能検定】
- 1級建設機械施工管理技士、1級土木施工管理技士
【技術士】
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリートを除く」)
- 農業「農業農村工学」・総合技術監理(農業「農業農村工学)
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
- 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
実務経験
一般建設業では、10年以上の実務経験の要件を満たせば専任技術者になることができます。
一方で、特定建設業の専任技術者には実務経験が認められません。これは、土木工事業が「指定建設業」に該当し、総合的で高度な施工技術が求められるためです。
学歴
以下の指定学科を卒業していれば、必要な実務経験の期間を短縮できる可能性があります。
- 土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治山、緑地又は造園に関する学科を含む。以下同じ。)都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科

よくある質問
土木一式工事の許可を取れば、どんな工事でも可能ですか?
いいえ、それぞれの業種の許可が必要です。
土木一式工事の許可は「構造物を統括して施工するための許可」です。とび・土工工事などを自社で施工する場合は、それぞれの業種の許可が必要になる場合があります。
上下水道の配管をするには、土木一式工事の許可は必要ですか?
工事内容によります。
公道の下などの上下水道の配管や下水処理施設の敷地造成工事をするには土木一式工事が必要です。管工事や水道施設工事など専門工事に該当する場合は、それぞれの業種の許可で対応できることがあります。
土木一式工事の許可は個人事業主でも取得できますか?
はい。個人事業主でも建設業許可の取得は可能です。
経営業務管理責任者や専任技術者などの要件を満たしている必要があります。
土木一式工事の専任技術者は実務経験だけでもなれますか?
一般建設業であれば、10年以上の実務経験で要件を満たせる場合があります。
ただし特定建設業では原則として国家資格が必要です。
土木一式工事業の建設業許可では、
- 自社の工事が土木工事業に該当するのか
- 専任技術者の要件を満たしているのか
- 舗装工事や、とび・土工工事業との区分はどうなるのか
などのお問い合わせをいただくことがあります。要件を満たしているか分からない段階でも構いません。
尼崎市・西宮市・伊丹市・宝塚市など兵庫県内で土木工事業許可の取得をご検討の方はお気軽に
