とび・土工・コンクリート工事とは?専任技術者の要件と工事例を兵庫県の行政書士が解説

建設業許可を取得するためには、業種を問わず必ず満たさなければならない「6つの共通要件」(経営業務管理責任者・専任技術者・欠格要件への非該当・誠実性・財産的基礎・社会保険加入)があります。
これらの共通要件の詳しい判定基準や注意点については、下記のページで詳しく解説しています。
本ページでは「とび・土工・コンクリート工事」に特化した固有の要件(工事の範囲、必要な資格や実務経験)について詳しく解説します。
とび・土工・コンクリート工事とはどんな工事?
とび・土工・コンクリート工事は、非常に多岐にわたります。
足場を組み立てる、いわゆる「鳶」や重量物をクレーンなどで運び上げる工事も該当します。また、コンクリートを専用のポンプで注入する工事、くい打ち工事、安全策の手摺りの溶接工事、外構工事など、その他多くの工事が該当します。そのため、最も取得されている数が多い許可であることが知られています。
実務経験で取得する業種としては狙い目ではないでしょうか。
ちなみに、告示では以下のように記載されています。
- 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物のクレーン等による運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
- くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
- 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
- コンクリートにより工作物を築造する工事
- その他基礎的ないしは準備的工事
(昭和四十七年三月八日建設省告示第三百五十号)
とび・土工・コンクリート工事と他業種との違い
とび・土工・コンクリート工事と鋼構造物工事の違い
鉄骨を扱う工事において、既に加工された鉄骨を現場で組み立てるだけの場合は、とび・土工・コンクリート工事に該当します。一方で、鉄骨の製作・加工から組み立てまでを行うのが鋼構造物工事業に該当します。
つまり、もともと完成したものを取り付けるだけの工事は、とび・土工・コンクリート工事に該当します。
とび・土工・コンクリート工事と解体工事の違い
解体工事は、以前は「とび・土工・コンクリート工事」に含まれていましたが、今は解体工事をするには、解体工事の許可または解体工事業登録が必要です。
解体工事は環境面への配慮や建設廃棄物対策などが求められるため、独立した業種となりました。
建設業許可の申請に必要な工事経歴書を作成するとき、契約書や請求書から読み取り、施工した工事がどの業種に該当するかを判断する必要があります。工事内容が曖昧な場合、許可申請の際に実務経験として認められない可能性があります。何の工事をしたかわかるようにできるだけ明確に記載してください。
とび・土工・コンクリート工事の許可が必要になるケース
とび・土工・コンクリート工事業を営む場合で、1件500万円(税込)以上の工事を請け負うときは建設業許可が必要です。
500万円未満の工事のみを請け負う場合は、建設業許可は必須ではありません。ただし、「元請から許可取得を求められた」「公共工事へ参加したい」などの理由で許可を取得する事業者も多くいます。
詳しくはこちら
→ 建設業許可が必要なケース
とび・土工・コンクリート工事の専任技術者になるには
必要な資格
一般建設業と特定建設業の専任技術者になるための資格を以下に示します。
一般建設業
資格のみで可能なもの
【技能検定】
- 1級建設機械施工管理技士
- 2級建設機械施工管理技士
- 1級土木施工管理技士
- 1級建築施工管理技士
- 2級建築施工管理技士(土木)
- 2級建築施工管理技士(薬液注入)
- 2級建築施工管理技士(躯体)
- 1級型枠施工、1級とび
- 1級コンクリート圧送施工
- 1級ウェルポイント施工
【技術士】
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」を除く)
- 農業「農業農村工学」・総合技術監理(農業「農業農村工学)
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
- 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
【その他】
基礎ぐい工事(基礎施工士試験)
資格 +「指定年数の実務経験」が必要
【1年の実務経験が必要】
地すべり防止工事士 +1年の土工工事の実務経験
【3年の実務経験が必要】
- 1級土木施工管理技士補 + 3年の実務経験
- 1級建築施工管理技士補 + 3年の実務経験
- 1級造園施工管理技士 + 3年の実務経験
- 1級造園施工管理技士補 + 3年の実務経験
- 2級型枠施工(技能検定) + 3年のコンクリート工事の実務経験
- 2級とび +3年のとび工事の実務経験
- 2級コンクリート圧送施工 +3年のコンクリート工事の実務経験
- 2級ウェルポイント施工 +3年の土工工事の実務経験
【5年の実務経験が必要】
- 2級建築施工管理技士(鋼構造物塗装) + 5年の実務経験
- 2級土木施工管理技士補 + 5年の実務経験
- 2級建築施工管理技士(建築)+5年の実務経験
- 2級建築施工管理技士(仕上げ)+5年の実務経験
- 2級建築施工管理技士補 +5年の実務経験
- 2級造園施工管理技士 +5年の実務経験
- 2級造園施工管理技士補 +5年の実務経験
基幹技能者をお持ちの方
- 登録橋梁基幹技能者
- 登録コンクリート圧送基幹技能者
- 登録トンネル基幹技能者
- 登録機械土工基幹技能者
- 登録PC基幹技能者
- 登録鳶・土工基幹技能者
- 登録切断穿孔基幹技能者
- 登録エクステリア基幹技能者
- 登録グラウト基幹技能者
- 登録運動施設基幹技能者
- 登録基礎工基幹技能者
- 登録標識・路面標示基幹技能者
- 登録土工基幹技能者
- 登録発破・破砕基幹技能者
- 登録圧入基幹技能者
- 登録送電線基幹技能者
- 登録あと施工アンカー基幹技能者
特定建設業
【技術士】
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)
- 建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」を除く)
- 農業「農業農村工学」・総合技術監理(農業「農業農村工学)
- 水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)
- 森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)
実務経験
一般建設業では、10年以上の実務経験の要件を満たせば専任技術者になることができます。
特定建設業の専任技術者には2年の指導監督的実務経験実務経験が必要ですが、実際にはこの条件を満たすのは非常に困難でしょう。
学歴
以下の指定学科を卒業していれば、必要な実務経験の期間を短縮できる可能性があります。
- 土木工学又は建築学に関する学科

よくある質問
とび・土工・コンクリート工事と鋼構造物工事の違いは?
鉄骨を扱う工事において、既に加工された鉄骨を現場で組み立てるだけの場合は、とび・土工・コンクリート工事に該当します。一方で、鉄骨の製作・加工から組み立てまでを行うのが鋼構造物工事業に該当します。
屋外広告を設置するときは、とび・土工・コンクリート工事の許可が必要ですか?
工事によります。
現場で屋外広告物を製作・加工し設置する場合は鋼構造物工事業の許可が必要ですが、それ以外の場合はとび・土工・コンクリート工事業の許可があれば請負うことができます。
とび・土工・コンクリート工事の許可があれば、解体工事もできますか?
いいえ、とび・土工・コンクリート工事の許可では解体工事はできません。
2016年に解体工事業が新設され、現在は解体工事を請け負う場合には「解体工事業」の許可または登録がが必要です。
とび・土工・コンクリート工事の許可は個人事業主でも取得できますか?
はい。個人事業主でも建設業許可の取得は可能です。
経営業務管理責任者や専任技術者などの要件を満たしている必要があります。
とび・土工・コンクリート工事工事業の建設業許可では、
- 自社の工事が消防施設工事業に該当するのか
- 専任技術者の要件を満たしているのか
- 鋼構造物工事との区分はどうなのか
などのお問い合わせをいただくことがあります。要件を満たしているか分からない段階でも構いません。
尼崎市・西宮市・伊丹市・宝塚市など兵庫県内で、とび・土工・コンクリート工事業許可の取得をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。
