建設業許可の「経営業務の管理責任者」の要件を行政書士が解説

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    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    前職では医療機器メーカーでの法令遵守業務を経験し、退職後は建設業専門の行政書士事務所で実務経験を積みました。これらの経験を活かし建設業者をサポートします。

    ✅ 自分は経営管理責任者になれる?

    ✅ どんな書類を用意すればいい?

    とお悩みではないでしょうか?

    経営業務管理責任者は許可取得に必須ですが、要件が非常に難解です。この記事では、軽業務の管理責任者の複雑な要件を図解でわかりやすく解説します。

    これを読めば、あなたがどの要件に当てはまるのか、明日からどんな準備を始めればいいのかが明確になります。

    目次

    経営業務の管理責任者の要件

    経営業務の管理責任者(経管)は、適正に建設業の経営が行われるために経営全般を統括する者です。

    建設工事は資金、資材、人などを総合的に管理し責任を持って目的物を完成させる必要があります。
    このような力は一朝一夕では身に付かず、知識と経験が求められます。

    要件を示すには、大きく分けて以下の2つの方法があります。 

    ①まずはここをチェック!
    【個人の経験】で満たす方法(ほとんどの方がこちらに該当します) 

    ②個人でダメなら
    【チーム体制】で満たす方法(規模の大きい会社向け)

    1. 常勤役員等に、一定の経営経験をもつ者を置く

    経営管理責任者の要件を、【個人の経験で満たす方法】です。

    この中でも更に3つの要件に分けられます。

    ア 建設業の経営経験が5年以上ある者

    イ 建設業の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として権限の委任を受けて5年以上、経営業務の管理経験がある者

    ウ 建設業の経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として6年以上、経営業務の管理責任者を補佐する業務に就いた経験がある者

    常勤役員等とは、個人事業の場合は「個人事業主または支配人」、法人の場合は「常勤の役員」のこと

    ア 建設業の経営経験が5年以上ある者

    常勤役員のうち1人が、建設業で5年以上の経営業務の管理責任者としての経験がある人であること。

    大雑把に説明すると次の通りです。
    「個人事業主で5年以上」「法人役員(社長)で5年以上」「個人事業主と法人役員の合計が5年以上」

    ※法人で、「支店長や営業所長に就いていた経験」も含まれる場合があります。

    はじめて建設業許可を取るときは、ほとんどがこの方法で進めることが多いです。

    イ 経営業務の管理責任者に準ずる者として経営業務の管理経験が5年以上ある者

    常勤役員のうち1人が、法人の「執行役員」などのポジションで5年以上、経営管理への従事経験があること。

    ただし、具体的な権限委譲を受けた者という条件付きです。社長の右腕的なポジションで業務に当たっていただけでは認められません。

    ウ 経営業務の管理責任者に準ずる者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に就いた経験が6年以上ある者

    この規定は、直接的には経営業務を管理していないが役員等の右腕として補佐した経験があるということです。
    「常勤役員のうち1人が、建設業の副支店長や営業所副所長として、6年以上の経験があること」です。


    以上をまとめると下表のとおりです。

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    経営経験建設業の経営経験
    地位経営業務の管理責任者としての経験を有する者経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務を管理した経験を有する者経営業務の管理責任者に準ずる地位にある者として経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験を有する者
    役職としての呼び名役員、個人事業主、支店長、営業所長など執行役員など副支店長、営業所副所長など
    必要な経験年数5年以上5年以上6年以上
    根拠法令規則第7条第1号イ(1)規則第7条第1号イ(2)規則第7条第1号イ(3)

    2. 経営を管理できる「体制」でクリアする

    先ほど説明したような、個人の経験で要件を満たせない場合は、「社内の体制」で勝負です。チーム戦です。

    「一定期間以上の経営経験者」を役員等に置き、その人を「直接補佐する人を置く」という体制で要件をクリアします。

    ①一定期間以上の経営経験者

    • ①−1:建設業者で2年以上の「役員等としての経験」を有し、かつ、5年以上役員または役員に次ぐ地位にある者(規則第7条第1号ロ(1))
    • ①−2:5年以上の役員としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員としての経験を有する者(規則第7条第1号ロ(2))

    ②直接補佐する人

    「財務管理」、「労務管理」、「業務運営」の業務をそれぞれ5年以上の経験がある者

    ① + ② の2つの条件を揃える必要があります。そのため要件を満たすことが難しく利用されることは少ないのが実情です。

    ①−1:建設業者で2年以上の役員等としての経験を有し、かつ、5年以上の役員または役員に次ぐ地位にある者

    建設業の「役員等に次ぐ地位以上」のポジションで5年以上の経験があり、この経験のうち2年以上は役員等のポジションである人が常勤役員等に就くことが、一つ目の条件です(上図左側)。

    役員または役員に次ぐ地位に就いていたことを示すにはやはり、取締役会議事録、辞令、組織図などが必要です。

    これに加えて、「財務管理、労務管理、業務運営をそれぞれ5年以上の経験を有する者」が、常勤役員等を直接補佐することが、二つ目の条件です(上図右側)。補佐する者は1人でも複数でも構いません。

    これら二つの条件が揃って、ようやく要件を満たします。

    ①−2:5年以上の役員としての経験を有し、かつ、建設業に関し、2年以上役員としての経験を有する者

    建設業に限らず役員等の経験が5年以上あり、この5年以上の経験のうちで2年以上が建設業の役員等の経験をもつ人が常勤役員等に就ことが、一つ目の条件です。

    これに加えて前項目と同様に、「財務管理、労務管理、業務運営をそれぞれ5年以上の経験を有する者」が、常勤役員等を直接補佐することが、二つ目の条件です。

    これら二つの条件が揃ってようやく要件を満たします。


    建設業許可の申請時に、経管の要件を満たすことを示す書類に関して以下の記事で解説しています。

    関連記事:建設業許可の要件と必要書類

    よくある質問

    経営業務の管理責任者は個人事業主でもなれますか?

    はい。個人事業主として一定期間建設業を経営していた実績があれば、経営業務の管理責任者の要件を満たせる場合があります。

    経営業務の管理責任者には何年の経験が必要ですか?

    原則として、建設業の経営業務を適切に管理した経験が5年以上必要です。経験内容によって判断が異なるため、個別の確認が必要です。

    経営業務の管理責任者は資格が必要ですか?

    資格は必要ありません。重要なのは建設業での経営経験や管理経験です。

    経営業務の管理責任者が退職したらどうなりますか?

    後任が確保できなければ、建設業許可の要件を満たさなくなる可能性があります。速やかに後任の選任や変更届の提出を検討しましょう。

    経営業務の管理責任者と専任技術者の違いは何ですか?

    経営業務の管理責任者は経営面の要件、専任技術者は技術面の要件です。どちらも建設業許可には重要ですが、役割が異なります。

    関連記事:専任技術者とは

    経営業務の管理責任者は代表取締役でなければなりませんか?

    必ずしも代表取締役である必要はありません。要件を満たす役員等であれば該当する場合があります。

    経営業務の管理責任者は変更できますか?

    変更は可能ですが、後任も要件を満たしている必要があるため、前もって要件を満たすかどうかを確認しておくことが重要です。

    変更した場合は所定の届出が必要です。

    関連記事:建設業許可の変更届とは

    経営業務の管理責任者になるための証明書類は何ですか?

    確定申告書や履歴事項全部証明書など、過去の経歴(個人事業主、法人の役員)によって必要な書類が異なります。何が必要か専門家に相談することをお勧めします。

    関連記事:建設業許可の申請に必要な書類

    まとめ

    建設業の経営業務の管理責任者について解説しました。

    経営業務の管理責任者は、建設業許可において大きな比重を占める要件です。証明の方法が複雑な場合もあり、準備や該当者が途切れないよう慎重に進める必要があります。

    「経営業務の管理責任者の要件を満たすかどうか聞きたい」という方は無料相談をご利用ください。

    状況を丁寧にお伺いし、最短ルートでの許可取得をサポートいたします! 

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