管工事とは?専任技術者の要件と工事例を兵庫県の行政書士が解説

    管工事の工事例・専任技術者の要件等について解説した記事のアイキャッチ
    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    前職では医療機器メーカーでの法令遵守業務を経験し、退職後は建設業専門の行政書士事務所で実務経験を積みました。これらの経験を活かし建設業者をサポートします。

    建設業許可を取得するためには、業種を問わず必ず満たさなければならない「6つの共通要件」(経営業務管理責任者・専任技術者・欠格要件への非該当・誠実性・財産的基礎・社会保険加入)があります。

    これらの共通要件の詳しい判定基準や注意点については、下記のページで詳しく解説しています。

    本ページでは「管工事」に特化した固有の要件(工事の範囲、必要な資格や実務経験)について詳しく解説します。

    目次

    管工事とはどんな工事?

    管工事とは、建物内の空調設備、給排水設備、ガス管設備などを設置する工事です。

    具体的には次のような工事が該当します。

    • エアコンの設置工事
    • 給水管・排水管の配管工事
    • ガス管の配管工事
    • ダクト工事
    • 衛生設備工事

    住宅だけでなく、マンション、店舗、工場、病院など様々な建物で行われています。

    ちなみに、告示では以下のように記載されています。

    • 冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事

    (昭和四十七年三月八日建設省告示第三百五十号)

    管工事と他業種との違い

    管工事と電気工事の違い

    エアコン等の空調設備を設置する工事は管工事ですが、電源工事を伴う場合は電気工事に該当することがあります。実際に、電気工事の許可をもつ業者さんが空調機の設置工事を行うことがよくあるので、関係が近い業種と言えるでしょう。

    管工事と機械器具設置工事の違い

    管工事と機械器具設置工事は、どちらも設備を扱う工事なのでよく混同されます。

    通常のエアコンなどの空調設備を設置する工事は管工事に該当しますが、業務用の空調機やトンネル・地下道等に設置する給排気設備設備を設置する工事は機械器具設置工事に該当します。

    実際にはどちらに該当するか判断が難しいこともありますが、上記が目安となります。

    管工事と水道施設工事の違い

    管工事も水道施設工事も水管に関係する工事なので判断が難しいですね。

    建設業許可事務所ガイドラインでは、以下のように分類されています。

    浄化槽(合併処理槽を含む。)によりし尿を処理する施設の建設工事は「管工事」に該当し、公共団体が設置するもので下水道により収集された汚水を処理する施設の建設工事が「水道施設工事」に該当する。


    建設業許可の申請に必要な工事経歴書を作成するとき、契約書や請求書から読み取り、施工した工事がどの業種に該当するかを判断する必要があります。工事内容が曖昧な場合、許可申請の際に実務経験として認められない可能性があります。何の工事をしたかわかるようにできるだけ明確に記載してください。

    関連記事:工事経歴書の書き方

    管工事の許可が必要になるケース

    管工事業を営む場合で、1件500万円(税込)以上の工事を請け負うときは建設業許可が必要です。

    500万円未満の工事のみを請け負う場合は、建設業許可は必須ではありません。ただし、「元請から許可取得を求められた」「公共工事へ参加したい」などの理由で許可を取得する事業者も多くいます。

    詳しくはこちら
    建設業許可が必要なケース

    管工事の専任技術者になるには

    必要な資格

    一般建設業と特定建設業の専任技術者になるための資格を以下に示します。

    一般建設業

    資格のみで可能なもの

    【技能検定】

    • 1級管工事施工管理技士
    • 2級管工事施工管理技士
    • 1級冷凍空気調和機器施工
    • 1級配管(選択科目「建築配管作業」)
    • 1級建築板金「ダクト板金作業」

    【技術士】

    • 機械「熱・動力エネルギー機器」又は「流体機器」・総合技術監理(機械(熱・動力エネルギー機器」又は「流体機器」)
    • 上下水道「上下水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上下水道及び工業用水道)
    • 上下水道(「下水道」)・総合技術監理(上下水道)(「下水道」)
    • 衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
    • 衛生工学「廃棄物・資源循環」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物・資源循環」)
    • 衛生工学「建築物環境衛生管理」・総合技術監理(衛生工学「建築物環境衛生管理」)

    資格 +「指定年数の実務経験」が必要

    【1年の実務経験が必要】

    • 建築整備士 +1年の実務経験
    • 給水装置工事主任技術者 +1年の実務経験
    • 1級計装士 +1年の実務経験

    【3年の実務経験が必要】

    • 2級冷凍空気調和機器施工 +3年の実務経験
    • 2級配管(選択科目「建築配管作業」) +3年の実務経験
    • 2級建築板金「ダクト板金作業」 +3年の実務経験

    【5年の実務経験が必要】

    • 2級建築施工管理技士(鋼構造物塗装) + 5年の実務経験
    • 2級土木施工管理技士補 + 5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士(建築)+5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士(仕上げ)+5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士補 +5年の実務経験
    • 2級造園施工管理技士 +5年の実務経験
    • 2級造園施工管理技士補 +5年の実務経験

    基幹技能者をお持ちの方

    • 登録配管基幹技能者
    • 登録ダクト基幹技能者
    • 登録冷凍空調基幹技能者
    • 登録計装基幹技能者

    特定建設業

    【技能検定】

    • 1級管工事施工管理技士

    【技術士】

    • 機械「熱・動力エネルギー機器」又は「流体機器」・総合技術監理(機械(熱・動力エネルギー機器」又は「流体機器」)
    • 上下水道「上下水道及び工業用水道」・総合技術監理(上下水道「上下水道及び工業用水道)
    • 上下水道(「下水道」)・総合技術監理(上下水道)(「下水道」)
    • 衛生工学「水質管理」・総合技術監理(衛生工学「水質管理」)
    • 衛生工学「廃棄物・資源循環」・総合技術監理(衛生工学「廃棄物・資源循環」)
    • 衛生工学「建築物環境衛生管理」・総合技術監理(衛生工学「建築物環境衛生管理」)

    実務経験

    一般建設業では、10年以上の実務経験の要件を満たせば専任技術者になることができます。

    特定建設業は実務経験で専任技術者になれません。管工事は、総合的で高度な施工技術が求められる指定建設業に該当するため、資格を取得しないと専任技術者にはなれません。

    学歴

    以下の指定学科を卒業していれば、必要な実務経験の期間を短縮できる可能性があります。

    • 土木工学、建築学機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科

    関連記事:建設業許可の専任技術者とは?

    よくある質問

    管工事と電気工事の違いは?

    エアコン等の空調設備を設置するのは管工事に該当しますが、電源工事を伴う場合は電気工事に該当する場合があります。

    管工事と機械器具設置工事の違いは?

    通常のエアコンなどの空調設備を設置する工事は管工事に該当しますが、業務用の空調機やトンネル・地下道等に設置する給排気設備設備を設置する工事は機械器具設置工事に該当します。

    実際の業種判定は工事内容によって異なるため、個別に確認が必要です。

    管工事の許可は個人事業主でも取得できますか?

    はい。個人事業主でも建設業許可の取得は可能です。

    経営業務管理責任者や専任技術者などの要件を満たしている必要があります。

    管工事業の建設業許可では、

    • 自社の工事が防水工事業に該当するのか
    • 専任技術者の要件を満たしているのか
    • 電気工事業との区分はどうなるのか

    などのお問い合わせをいただくことがあります。要件を満たしているか分からない段階でも構いません。

    尼崎市・西宮市・伊丹市・宝塚市など、兵庫県内で管工事業許可の取得をご検討の方はお気軽にご相談ください。

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