消防施設工事とは?専任技術者の要件と工事例を兵庫県の行政書士が解説

    消防施設工事の工事例や専任技術者の要件について解説した記事のアイキャッチ
    石野享
    いしの行政書士事務所 代表
    前職では医療機器メーカーでの法令遵守業務を経験し、退職後は建設業専門の行政書士事務所で実務経験を積みました。これらの経験を活かし建設業者をサポートします。

    建設業許可を取得するためには、業種を問わず必ず満たさなければならない「6つの共通要件」(経営業務管理責任者・専任技術者・欠格要件への非該当・誠実性・財産的基礎・社会保険加入)があります。

    これらの共通要件の詳しい判定基準や注意点については、下記のページで詳しく解説しています。

    これらの共通要件の詳しい判定基準や注意点については、下記のページで詳しく解説しています。

    本ページでは「電気工事」に特化した固有の要件(工事の範囲、必要な資格や実務経験)について詳しく解説します。

    目次

    消防施設工事とはどんな工事?

    消防施設工事とは、火災報知設備、スプリンクラー設備、消火設備などを設置する工事です。建設業許可では「消防施設工事業」に分類されており、一定規模以上の工事を請け負う場合には建設業許可が必要になります。ただし、工事内容によっては電気工事業や管工事業との判断が分かれる場合もあるため注意が必要です。

    具体的には次のような工事が該当します。

    • 自動火災報知設備の設置
    • スプリンクラー設備の設置
    • 消火設備の設置
    • 消火栓設備の設置
    • 避難設備の設置
    • 消火設備の改修工事

    マンション、店舗、工場、病院など様々な建物で行われます。

    ちなみに、告示では以下のように記載されています。

    • 火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事 

    (昭和四十七年三月八日建設省告示第三百五十号)

    消防施設工事と他業種との違い

    消防施設工事と電気工事の違い

    消防施設工事業と電気工事業は混同されやすい業種です。

    消防施設工事業は、火災報知設備や消火設備、避難設備など消防用設備を設置する工事を指します。一方、電気工事業は発電設備や送配電設備、建物内の電気設備の設置工事を指します。例えば、自動火災報知設備を設置する工事は消防施設工事業に該当しますが、その設備に伴う配線工事には電気工事業が関係する場合があります。

    工事内容によっては両方の業種にまたがることがあるため、判断に迷う場合は専門家へ確認することをおすすめします。

    消防施設工事と管工事の違い

    消防施設工事業と管工事業は、配管を扱う点で混同されることがあります。

    消防施設工事業は、スプリンクラー設備や屋内消火栓設備など消防用設備の設置を目的とした工事です。一方、管工事業は冷暖房設備、給排水設備、ガス配管設備などの設置工事を指します。

    同じ配管工事であっても、消防設備として設置する場合は消防施設工事業に該当するため、工事の目的によって業種区分が異なります。


    建設業許可の申請に必要な工事経歴書を作成するとき、契約書や請求書から読み取り、施工した工事がどの業種に該当するかを判断する必要があります。工事内容が曖昧な場合、許可申請の際に実務経験として認められない可能性があります。何の工事をしたかわかるようにできるだけ明確に記載してください。

    関連記事:工事経歴書の書き方

    消防施設工事の許可が必要になるケース

    消防施設工事業を営む場合で、1件500万円(税込)以上の工事を請け負うときは建設業許可が必要です。

    500万円未満の工事のみを請け負う場合は、建設業許可は必須ではありません。ただし、「元請から許可取得を求められた」「公共工事へ参加したい」などの理由で許可を取得する事業者も多くいます。

    詳しくはこちら
    建設業許可が必要なケース

    消防施設工事の専任技術者になるには

    必要な資格

    一般建設業と特定建設業の専任技術者になるための資格を以下に示します。

    一般建設業

    資格のみで可能なもの

    【消防法】

    • 甲種消防設備士
    • 乙種消防設備士

    資格 +「指定年数の実務経験」が必要

    【3年の実務経験が必要】

    • 1級建築施工管理技士 +3年の実務経験
    • 1級建築施工管理技士補 +3年の実務経験
    • 1級電気工事施工管理技士 +3年の実務経験
    • 1級電気工事施工管理技士補 +3年の実務経験
    • 1級管工事施工管理技士 +3年の実務経験
    • 1級管工事施工管理技士補 +3年の実務経験

    【5年の実務経験が必要】

    • 2級建築施工管理技士(建築)+5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士(躯体)+5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士(仕上げ)+5年の実務経験
    • 2級建築施工管理技士補 +5年の実務経験
    • 2級電気工事施工管理技士 +5年の実務経験
    • 2級電気工事施工管理技士補 +5年の実務経験
    • 2級管工事施工管理技士 +5年の実務経験
    • 2級管工事施工管理技士補 +5年の実務経験

    基幹技能者をお持ちの方

    • 登録消火設備基幹技能者

    特定建設業

    【技能検定】

    • 1級電気施工管理技士

    【技術士】

    • 建設(「鋼構造及びコンクリート」)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」)
    • 建設(「鋼構造及びコンクリート」を除く)・総合技術監理(建設)(「鋼構造及びコンクリート」を除く)
    • 電気電子・総合技術監理(電気電子)

    実務経験

    消防施設工事業は、他の業種のように実務経験のみでは専任技術者にはなれません。
    前述した資格の取得が必須です。

    よくある質問

    電気工事業許可で自動火災報知設備の施工はできますか?

    いいえ、建設業許可が必要となる500万円以上(税込)の工事については、消防施設事の許可が必要です。

    スプリンクラーの設置工事は、管工事の許可が必要ですか?

    スプリンクラーの設置は管工事ではなく、消防施設工事に該当します。

    500万円以上(税込)の工事については、消防施設工事の許可が必要です。

    消防施設工事業は、実務経験でも専任技術者になれますか?

    いいえ。消防施設工事業は他の業種のように実務経験のみでは専任技術者にはなれません。専任技術者になるためには、消防設備士甲種または乙種などの指定資格が必要です。

    そのため、長年消防設備工事に従事していても、資格を保有していない場合は専任技術者として認められません。

    火災報知器の交換工事も消防施設工事ですか?

    はい。火災報知設備の交換や改修は消防施設工事に該当します。

    消防設備は人命に関わるため、専門的な知識をもつ者が確実に施工することが求められています。

    消防施設の更新工事や改修工事でも許可は必要ですか?

    はい。

    500万円以上の工事を請負う場合、消防施設工事の建設業許可が必要です。

    消防設備士の資格があれば建設業許可を取得できますか?

    消防設備士の資格は消防施設工事業の専任技術者要件として認められています。

    ただし、建設業許可の取得には専任技術者のほか、経営業務管理責任者や財産要件なども満たす必要があります。

    消防施設工事の許可は個人事業主でも取得できますか?

    はい。個人事業主でも建設業許可の取得は可能です。

    経営業務管理責任者や専任技術者などの要件を満たしている必要があります。

    建築一式工事業の建設業許可では、

    • 自社の工事が消防施設工事業に該当するのか
    • 専任技術者の要件を満たしているのか
    • 電気工事との区分はどうなのか

    などのお問い合わせをいただくことがあります。要件を満たしているか分からない段階でも構いません。

    尼崎市・西宮市・伊丹市・宝塚市など兵庫県内で消防施設工事業許可の取得をご検討の方はお気軽にお問い合わせください。

    入力に誤りがないことを確認

    よろしければシェアをお願いします
    • URLをコピーしました!
    目次